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主な板金材料について

☆鉄材

鉄は熱処理を行うことによってその強さや硬さや性質を自由に調節することができ、いろいろな用途に使われています。後述するステンレスと違い、鉄には錆びやすいという欠点がありますが、塗装やメッキといった表面処理を一段階加えることによりその欠点を補うことができます。このため、使用環境の条件(強度、腐食、熱などの条件)がクリアできれば、ステンレス鋼などと比べると材料の価格が安価なため、特に大きな構造物などではコストメリットが得られます。 鉄は炭素(C)を含む割合によって 工業上、鉄、鋼、鋳物に分けられます。炭素を含む割合は、鉄<鋼<鋳物の順番になり、鉄は炭素が少なすぎて柔らかく、鋳鉄は炭素が多すぎて脆く、鋼がちょうど中間で手ごろな炭素量ということになります。 炭素を主体に微量な元素を含む鋼を炭素鋼、或いは普通鋼と呼んでいます。板金加工でよく使われるものとしては、SPCCや通称ボンデ鋼板と言われるSECC(電気亜鉛めっき鋼板)、SGCC(溶融亜鉛めっき鋼板)、SS材(SS400等)などがあります。 また、鋼に炭素(C)を含む5大元素(C,Mn,Si,P,S)以外の特殊元素を添加することでその性質を変え、目的によって所定の性能を出す鋼を特殊鋼、合金鋼といいます。SK材(工具鋼)、SUP(バネ鋼)、後述のステンレス鋼などもその一種です。

 

☆ステンレス

ステンレスの最も大きな特徴としては、非常に錆びにくい金属であるということでしょう(全く錆びないというわけではありません)。それに加えて、耐腐食、耐酸、耐熱に対して非常に優れた特性をもち、さらに溶接性も非常に良好で、金属加工にも向いています。 そのため、利用用途としては、化学工業設備、建築材料、食品製造設備、製紙工業、車両工業、厨房器具、染色工業、繊維工業、硝酸工業、一般家庭用器具など、非常に多岐にわたります。 ステンレスの種類としては、SUS304に代表されるオーステナイト系、SUS430に代表されるフェライト系、SUS410に代表されるマルテンサイト系、PHタイプといわれSUS630に代表される析出硬化系に大別されます。この中でも最も代表的なステンレス鋼がSUS304で、弊社で取り扱う板金加工部品にも非常によく使われています。 金属材料として優れた特性を多数もつため、鉄と比べれば材料の価格は高価(鉄の数倍)です。 JISでは「JIS G4305 冷間圧延ステンレス鋼板及び鋼帯 」に規定されています。

 

☆アルミニウム

アルミニウムの最もおおきな特徴は、やはり軽いということでしょうか。アルミニウムの比重は2.7です。鉄や銅の約3分の1という軽さです。(鉄:7.8、銅:8.9。チタンでも比重は4.5です)。その他の特徴を列挙すると◇強い/◇加工性が良い/◇耐食性が良い/◇電気をよく通す/◇熱をよく伝える/◇再生しやすい/◇磁気を帯びない/◇美しい/◇鋳造し易い/◇低温でも使用できる/◇毒性がない/◇接合し易い/◇熱や光を反射する/◇真空特性がよい等などが挙げられるでしょう。 時代が軽量化の方向を向いている今日、特に自動車、鉄道車両、航空機、船舶などの輸送分野や建築・土木分野で、多くのアルミニウムが使われています。 加工がし易いため、弊社で取り扱うような板金加工、精密板金加工にも向いています。 また、アルミはそのままでも見た目が美しいですが、耐食性や耐摩耗性を向上させることや、着色をして装飾することを目的として、アルマイト(アルミニウムの陽極酸化のこと)という表面処理を施して使用されることもしばしばです。 アルミニウムは、JISでは「JIS H4000 アルミニウム及びアルミニウム合金の板及び条」に規定されています。 代表的なものでは、A5052、A2017、A1050などがあります。

 

☆銅(純銅)

一般的に銅と言った場合には、C1100(タフピッチ銅) を指すことが多いです。 その他には、C1020(無酸素銅)や、C1220(りん脱酸銅)などがありますが、板金加工・精密板金で一般的に使われるのは、板材としてC1100Pです。(JIS H3100 銅及び銅合金の板及び条)C1100(タフピッチ銅)は、電気・熱伝導性・展延性・絞り加工性に優れ、溶接性・耐食性・耐候性がよく、電気用、蒸気がま、建築用、化学用、器物に適しています。C1020はC1100より高価で丸棒材として使用されることが多く、C1220は銅パイプの材料として用いられます。  

 

☆真鍮(真ちゅう、真中)

銅合金(銅と亜鉛の合金)の一種で、別名、黄銅ともいいます。加工しやすくて、また美しいこともあり、用途も広く、金物にも多く利用されます。 大別すると、板金、プレス、切削などに用いられる伸銅品と鋳物用の黄銅鋳物の2種類があります。 中でも、C2801(JIS H3100 銅及び銅合金の板及び条)は伸銅品に分類される真鍮(黄銅)で、特長としては強度が強く展延性があります。 そのため、抜打ち・折り 曲げなどの板金加工用として使用されています。 弊社で取り扱う板金加工、精密板金加工においても、真鍮の中ではこの材料を取り扱うことが一番多いと思います。  りん青銅(リン青銅) これも銅合金の一種で、銅を主成分としこれに錫を加えてりんで脱酸した三元合金です。 特性としては、バネ特性に優れている・耐食性が良い・耐疲労性がある・耐摩耗性に優れている・加工しやすい・非磁性である、などが挙げられます。 弊社での板金加工、精密板金加工においては、その用途として、各種コネクタ、各種スイッチ接片、各種機械部品、ワッシャなどの製品として加工されます。  JIS記号でりん青銅板は、C5191Pと表されます(JIS H3110 りん青銅及び洋白の板及び条)。

☆ばね用りん青銅(リン青銅)

ばね用りん青銅とは、りん青銅に焼なましを施してあるものです。展延性、耐疲労性、耐食性が良く、特に低温焼なましを施行してあるので高性能ばね材に適しています。 JIS記号でばね用りん青銅板は、C5210Pと表されます(JIS H3130 ばね用ベリリウム銅、チタン銅、りん青銅及び洋白の板及び条)。

 

☆SUSバネ材

ここでSUSバネ材と言っている材料は、「ばね用ステンレス鋼帯」としてJIS G4313で定義されている冷間圧延で製造されるステンレス鋼帯のことです。 板金加工、精密板金加工にもよく使用される材料としては、オーステナイト系のバネ用ステンレス鋼帯である、SUS301-CSPやSUS304-CSPがあります(JIS G4313 ばね用ステンレス鋼帯)。 主として、電気、電子機器などに使用される薄板ばねなどに用いられます。  ※通常、ばね鋼と呼ばれているものは、JIS G4801に「ばね鋼鋼材」として定義され、主として熱間形成ばねに使用するばね鋼鋼材のことです。これには、SUP3等、SUP×××として9種類定義されており、上述のSUSバネ材とは別物です。

 

☆ベリリウム銅

ベリリウム鋼は銅合金の一種です。主として銅とベリリウムとから成る合金で、電導性、熱伝導性が高く、硬さ、強度及び耐食性にすぐれています。 半導体関連部品、電子機器用バネ材料、金型材料、高強度合金、コネクタ、マイクロスイッチ、耐食性機械部品などに使用されます。 JIS記号でばね用ベリリウム銅板は、C1700P、C1720Pと表されます(JIS H3130 ばね用ベリリウム銅、チタン銅、りん青銅及び洋白の板及び条)。  

 

☆焼入れリボン鋼  

焼入鋼帯で、一般的に焼き入れリボン鋼と称するものです。みがき特殊帯鋼(SK材)を素材として、焼き入れ焼戻しを施して製造されます。板金加工、精密板金加工にもよく用いられ、板厚は0.05mmからあります。  

 

☆モリブデン鋼

高温での機械的強度が高い、高い融点を持つ等の特性をもつモリブデンが添加された特殊鋼です。

 

☆ベークライト

ベークライトとは、熱硬化性樹脂に分類されるフェノール樹脂のことです。 もともとフェノール樹脂の商品名だったのが一般名称化したものです。 絶縁性、耐熱性、耐久性などにおいて優れた特徴をもち、様々な分野で利用されています。 板金材料ではありませんが、電子機器内部には多く使われています。

 

 

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